Torbernite from Zaire
                          


  品 名:        燐銅ウラン鉱
  Mineral Name:    Torbernite
  産 地 (Location):  Musonoi Mine, Kolwesi, Katanga, Congo (former Zaire)
  サイズ (Size):     10 × 6 ×2.8 cm
  登 録:        2015年10月


  燐銅ウラン鉱は、銅とウランからなる燐酸塩鉱物です。
  図鑑「The Magic of Minerals」に載っていた燐銅ウラン鉱の写真に似た透明
  で美しい緑の板状結晶です。この美しい結晶が乾燥により結晶水が失われ
  るとメタ燐銅ウラン鉱という鉱物になります。
  本鉱のウランは、ウラン238が大半で他のウラン鉱物に較べてウラン量
  が多いため、放射能が強い。

  板状結晶の大きさは、4〜5mm程度で、雲母に似た形態をしています。
  母岩全体の大きさは、10cm大あり、その表面は、黒ずんでいます。
  「楽しい鉱物図鑑」P129頁にも同じ産地の標本写真が載っていますが、
  この図鑑の標本も母岩表面が黒く色着いています。

  燐銅ウラン鉱はウランの鉱物ですので、当然放射線を出しています。
  ウラン鉱物で気をつけなければならないのは、放射線ばかりに気を取られて
  余り話題になっていませんが、実は、鉱物から放出される放射性ガスのラドン
  ガスに注意する必要があります。
  ラドンガスは、プロパンガスより重い気体で、アメリカ・カナダでは、地面から噴出
  するガスの被害でタバコに次ぐ肺ガンの原因物質になっています。

  ラドンについて調べると
  「ラドンは、86番目の元素で、天然に存在する唯一のα線を放出する気体である。
  ラジウムが崩壊することにより発生する有害な放射性ガスです。
  ラドンは空気の約7.7 倍(9.96g/1) の重さの気体で部屋の下層に溜り易い。
  ラドンは空気と共に体内に摂取されても、ラドンのみで娘核種(ドータと略称)
  を伴わなければ相当多量でない限り、障害の原因とはなりにくい。しかし、ドータ
  と共存し、ドータが呼吸気管内面に付着するため危険であると言われている。
  ラドンの娘核種(ドータ):
  ラドン222から壊変したばかりのポロニウム218は原子的な状態にあるが、直ちに
  相互に付着するか、水の分子などに付着して、やや大きな状態の粒子を作る。
  これらの粒子は拡散速度が大きく壁などに容易に付着し、また呼吸とともに
  摂取されると呼吸気管内壁に付着し、比較的高い被曝を与える。
  ラドンのドータはPo、Pb、Biα線放射体で、体内に摂取されると肝臓、腎臓に
  蓄積される。」
  出典⇒高度情報科学技術研究機構

  ウラン系列から派生するラドンガスの種類はRn-222で半減期が3.8日間
  安定しています。約1週間ほどで核分裂して、別の元素に変異します。
  この親から子、そして孫元素へと次々壊変を繰り返していく訳ですが、
  この壊変した元素は、気体から固体粒子に変っているので、気管などの体内
  に付着し易くなるのです。
  ラドンガスから次に壊変した子供元素(娘核種)は、ポロニウム218という
  放射性個体粒子ですが、この粒子が危ないのです。

  以上のことから、ウラン鉱物は、生活居住空間に置いては危険です。
  標本は密閉容器に入れ、更に金属缶に入れて別の隔離した場所に置き、
  放射線を防護するとよいでしょう。

  一方ラドンガスは、玉川温泉の北投石やオーストラリアのバドガシュタイン鉱石
  などは、低線量のα線を利用したラドン治療として利用されてもいます。
  放射性ホルミシス効果と云われていますが、あくまで民間療法の範囲です。
  微量の放射能を浴びた細胞はよくなろうとして活性化することで、自ら治そう
  とする力が働く。いわば漢方薬に似た効果のようです。