Quartz with Blue Fluid from Brazil

                        
fig-1 標本サンプル
fig-2, 青い溶液の分光分析結果↑
fig-3, Gems & Gemology, Spring 2006↑


   品 名:       青い液体入り水晶
   Mineral Name:    Quartz with Blue Fluid
   産 地(Location):  Bahia Brazil
   サイズ (Size):    16 X 10 X 5 mm
   登 録:        2015年11月


   水入り水晶やオイル入り水晶などの溶液が入った水晶は、知られていますが、
   青い液体入り水晶は、初めて見ました。

   この標本は、Gems & Gemology, Spring 2006の71頁に紹介されている標本です。
   その説明には、
   「The color of the fluid was reminiscent of a saturated copper sulfate solution.」
   「液体の色は、飽和硫酸銅溶液を思い出させました」
   とあります。

   この標本の販売時の説明では、
   「The liquid is a Cu sulfate solution. 」
   「液体は、硫酸塩溶液です」
   となっていました。
   この青い液体を見れば、誰でも最初に思い当るのが、説明通りの硫酸銅溶液
   ではないでしょうか?

   有名な専門誌に紹介されているので、当然分析データーがあると思い、問い合
   わせしましたが、根拠を示すデーターはありませんでした。

   標本が届いてから、国内の分析屋さんに調査を依頼した結果、fig-2のデーター
   を得ました。605nm(ナノメートル)、654nm,、にピークを持つ吸収スペクトルが
   確認されました。
   硫酸銅溶液は、800nm付近に吸収スペクトルを持つことが知られており、この
   液体は、硫酸銅溶液でないことが証明されました。

   ・・・・さあ困りました。
   それではこの溶液は何か?
   正体を調べるには、破壊して溶液を結晶化させ、元素分析に掛けなければ
   なりません。
   でも、破壊してしまったら、コレクションの意味が無くなってしまいますよね。

   600nm近辺のスペクトルを持つ青い液体はないか調べると、
   「テトラアンミン銅錯体」 Tetra Ammine Coppercomplex という物質が610nm
   の吸収スペクトルを持つことが分りました。
   この溶液は、硫酸銅溶液にアンモニア水溶液を加えたときに生成する濃青色
   の水溶液です。
   化学式:  { Cu(NH3)4}SO4・H2O
   どうもこの溶液が一番くさいと睨んでいます。

   確定させるには、分析用に標本を別途、入手するしかないでしょうね。