Blue Garnet from Madagascar
                      
              ↑ 写真-1  蛍光灯下で撮影
             ↑ 写真-2  太陽光下で撮影
            ↑ 写真-3  蛍光灯下で撮影


  品 名:        ブルーガーネット(青い柘榴石)
  Mineral Name:     Blue Garnet (Color-Changing "Pyrope-Spessartite")
  産 地 (Location):  Bekily, Madagascar
  サイズ (Size):     0.8 x 0.8 x 0.8 cm
  登 録:        2016年10月


  柘榴石は、そのザクロの実のように寄せ集まって結晶している姿から命名
  されたようで、実に的を得た美しい命名だと思います。
  さて、その柘榴石ですが、その色は、赤・オレンジ・翠・黄色などが知られています。
  しかし唯一、青い柘榴石は無いものと思っていました。・・・永い間
  処が存在しました。上の標本をご覧下さい。紛れもないブルー系の柘榴石です。
  こんなの見たことがありません。

  実情を調べてみると、何と1990年代後半にマダガスカルの南部にあるベキリー鉱山で
  発見されていました。しかし、青い石が見つかる確率は,1,000個の原石中1個くらいの
  割合なので、見つかった青い石の殆どがカットされて宝石として加工されてしまいます。
  そのため、まず青い原石が標本市場に出る機会は全く無かった訳です。

  この青色の柘榴石はパイロープとマンガン柘榴石の希少な融合で、色の変化を生じる
  クロムやバナジウムを含んでいます。
  マンガン柘榴石とパイロープの両方の特性を有する、一種のハイブリッドです。

  そのため、光源によって色変りするアレキサンドライトに似た変色効果を持っています。
  太陽光や蛍光灯下では青緑色ですが、白熱灯下では紫色に変化することから
  「カラーチェンジ・ガーネット」と呼ばれている。

  物質の色はその物質が特定の波長の光を吸収し、他の光を反射させて、その反射光が
  網膜を介して脳で色として認識される仕組みになっています。
  物質そのものには色は無く、あくまでも光の反射光を見ているに過ぎません。


  青い柘榴石の場合、微量に含まれているクロムとバナジウムが光のスペクトルの中央部
  を吸収し、波長の短い青の光と波長の長い赤の光を反射させる。
  光源である太陽光は赤より青の光を多く含んでいるので、柘榴石は日光下で青緑色に
  表示されます。
  一方、白熱光は赤が多いので、青に赤が混じった紫色が表示される


  処が、届いた標本を見てみると、蛍光灯下(写真-1)では青っぽい魅惑的な色をして、
  いますが、太陽光下(写真-2)ではパープルに変化します。説明通りではありません
  でした。
  多分、クロムとかバナジウムの含有比率の違いが微妙に色の違いを演出していると考え
  られます。

  上の標本のエッジや面は摩滅しており、堆積環境下にあったことを暗示しています。
   ベキリーなどの鉱床から離脱した石が川床を流れる内に表面が摩耗した所謂、川流れ
  品の様相を呈している。
  最良の品質の石は、この沖積堆積層から出るようです。
  ベキリー鉱山の鉱床は脆い岩盤の亀裂内に結晶が形成されているそうで、大きさは1ct
  カラット(約6.5 mm)以下の小さいサイズが多いようです。
  結晶形は、十二面体や二十四面体のような美しい形状をしたものはなく、殆どが不定形
  (偏四角多面体)をしています。

  標本市場には青い原石がまわってこないので、原石の価格はダイヤモンド並みです。
  有り得ない標本との‘出会い’に、久しぶりに興奮しました。

  詳しい内容は、下記文献を参照下さい。
  下のリンクをクリックすると画面下に資料がダウンロードされます。

  参考文献⇒GEMS & GEMOLOGY  -1999年 P196-P201
         TITEL:  GARNETS  FROM  MADAGASCAR