V、宇宙とは何か?


     最近になって宇宙の驚くべき実態が明らかになりました。
    それらの事実は、私たち人類に何を語りかけようとしているのか?
    宇宙は、人類にこの世の存在の意味そのものを問い掛け
    そして、私たち人類の生き方をも導こうとしている。
    私たちは、宇宙の語り掛けに耳を傾け、何を云おうとしているか
    真実を聞き分けなければならない。




  
1、太陽系の大きさ:

   ・太陽は、46億年前に誕生しました。
    太陽の大きさをソフトボ−ルの大きさとすると、金星・地球・火星は、夫々1mm粒の
    大きさになり、夫々5m間隔に並べた感じになる。木星・土星などの外惑星は、パチンコ玉
    くらいの大きさになり、内惑星の外側を回っています。
    全体の直径は、600m程の円盤状のスケ−ルとなります。 

   ・私たちの太陽は、最も軽い物質である水素ガスから出来ています。
    光輝いているのは、水素ガスが熱核融合反応を起こして水素⇒ヘリウムへ置き代っているからです。
    そして、今から50億年後に燃料である水素ガスが燃え尽き、太陽の活動は衰えていきます。
    その結果、私たちの太陽は巨大化(赤色巨星)して、最も内側の水星や金星は太陽に飲み込まれ、
    地球は、灼熱地獄と化します。
    もはや生物は、地球上に住むことはできなくなりそうです。


                          
                                         画像/NASA


     
画像/NASA

    地球は、驚くべきことに20km/毎秒の猛烈なスピードで太陽の周りを回っています。







        

   ・太陽は、毎秒2200kmのスピ−ドで銀河中心を周回し、地球はその太陽の周りを20km/毎秒の
    スピードで太陽を追っかけています。従来のイメージでは、平面の円盤上を惑星が円運動している
    イメージでしたが、中心の太陽そのものが動いていますので、実際には、上のイラストに見られるように
    螺旋を描きながら運動していることがよく分ります。下のリンク先で動画が見られますが、惑星の螺旋
    運動と生物の螺旋構造の類似性を暗示しているのは、興味深い処です。
    ⇒The Sloan Digital Sky Survey






  
2、宇宙の大きさ:

   ・私たちの天の川銀河には、太陽のような恒星が凡そ2000億個もあり、私達の太陽系惑星は、
    銀河中心から、凡そ2万8000光年離れた所を毎秒2200kmのスピ−ドで、2億5000万年かけて
    一周しています。(1光年=光が1年間に進む距離を示す。 光は、1秒間に30万km進む)
    そして、宇宙には、そのような銀河が数千億もある、とてつもなく、壮大なスケ−ルを持って
    います。

   ・宇宙の年齢は、137億年と云われている。そして、天の川銀河は、100億年前に誕生した
    と考えられている。



    

                   <200万光年離れたアンドロメダ銀河>                 
画像/NASA





           

                  <60億光年のかなたの銀河団>                     
画像/NASA


   ・上の写真の米粒状の1つ1つが私たちの天の川銀河と同じ銀河星雲です。

    距離は、凡そ60億光年、つまり、60億年前の姿を今、私たちは眺めていることになります。

    宇宙を眺めるときは、いつも過去の姿を見ることになり、気の遠くなるような時間差が就いて

    まわります。


   ・宇宙の視界の水平線は、現在128億光年の宇宙の果てまで確認されています。

    そして、宇宙全体の大きさは、780億光年以上と見積もられています。





  
3、最近解ってきた宇宙の実態:

   ・宇宙では、日常茶飯事的に銀河同士が衝突を繰返しています。

    銀河は、彗星より早い速度で宇宙空間を飛び回っていて、衝突・合体を繰り返しています。
    そして、巨大な楕円銀河へと成長している。

   ・私達の天の川銀河の近くに大マゼラン雲と小マゼラン雲と呼ばれる二つの銀河があります。
    マゼラン雲と天の川銀河は、互いに引合っており、マゼラン雲は、将来、私達の天の川銀河
    に吸収される運命にあります。

    そして、
更に隣にある巨大なアンドロメダ銀河(3000億の恒星の集り)とも将来、衝突する
    ことが分ってきました。

    アンドロメダ銀河は、時速50万Kmのスピ−ドで、私達に近づいてきており、28億年後に
    衝突します。

   ・私達の太陽系が衝突中心に近ければ、衝撃波の直撃を受け、生物は、死に絶えるでしょう。  
    しかし、中心より外れていれば、星同士は、ぶつからずに、互いの間をすり抜けて行くだけ
    となるでしょう。



             

                 <NGC3314−衝突する銀河>         
画像/NASA


   ・銀河同士や銀河内の星の動きは、観測できる物質の重力だけでは、説明がつかない
    ほど速い。
    地球は、太陽の周りを秒速20kmで周回し、太陽系自身も毎秒2200kmの速度で銀河系
    内を回転しています。何故これほどの高速運動していて、飛び出さないのでしょうか?
    それは、光を発しない目に見えない物質が大量に存在して、その重力により引っ張られて
    いることを示しているのです。

   
最初に銀河の星のスピードを調べたのは、アメリカのベラ・ルービン博士でした。
    1970年に100個の銀河の回転速度を調べ、いずれも想像を超えた速度で回転していることを
    突き止めました。また、銀河の内側の星と外側の星の公転速度が、ほぼ同じ速度で回転して
    いることも確認した。
    これらのことから、宇宙には、目に見えない物質が多量に存在することが考えられたのです。


   ・2001年6月に打ち上げられたNASAの衛星WMAPは、宇宙に飛び交う電波を計測しました。
    電波の強弱から宇宙の温度分布が分り、更に宇宙に存在する物質の総量が計算された。



   ・宇宙の銀河の分布を調べた結果、宇宙は、ボイドと呼ばれる泡の形をした大規模構造体に
    なっていることが分ってきました。

    こうした宇宙の大規模構造がどのようにして出来たのか、まだはっきりした理由が分って  
    いない。しかし、宇宙の存在の大部分を占める暗黒物質が大きな役割を果たしているので
    ないかと考えられています。
    そして、この暗黒物質の全宇宙のエネルギー(質量)に占める割合は、実に23%を占めて
    いることも解りました。


          
                       <宇宙の大規模構造>      
画像/NASA


   ・宇宙の未来は、大きく分けて二つのシナリオが考えられてきました。
      A、膨張 ⇒ 収縮 ⇒ 圧縮 ⇒ 1点集中・潰れる。
      B、膨張 ⇒ 減速 ⇒ 拡散
    このシナリオの主役は、重力と考えられてきた。
    そして、1998年に宇宙の膨張速度の変化を測定する試みがなされました。
    その結果、驚くべく事実が明らかになりました。
    宇宙は、重力の作用で膨張速度にブレ−キがかかり減速していくと予想されていましたが、
    予想に反し、

 
   40〜70億年前から宇宙は、膨張を加速させていました!


    このことは、物質から生じる重力を打ち負かす斥力が働いていると考えられ、
    この斥力を生み出す未知の存在を「暗黒エネルギー」と呼ぶようになりました。

    宇宙初期の爆発から膨張を続けていた宇宙は、時間がくればエネルギーを失い、その内
    減速して静止するはずでした。処が、逆に加速していることが判りましたが、この現象は、宇宙に
    膨張を助けるエネルギーが注がれていると考えられ、速度が光速に近づけば、宇宙そのものが
    破綻する危険性を含んでいるようです。


   ・
この暗黒のエネルギ−は、宇宙全体のエネルギ−(質量)の73%を占める甚大な力です。
    この発見は、物理学の根底を揺るがしかねない重大な要素をはらんでいます。
    暗黒エネルギ−の解明は、新しい科学の出発点になるものと考えられる。


   ・
そして、私たち人類が今把握している世界は、全宇宙のエネルギ−(質量)の4%の世界しか知らない
    のです。

 
   私たち人類は、未だ物質の素を掴んでいないのです。
    宇宙の存在は、この極小の世界と導通しており、物質の素が解れば極大の世界の
    宇宙の謎も解けるものと期待されています。





   ・未知の物質探しは、各国の研究機関でしのぎが削られている。
    スイスのモンブランに建設された超大型加速器LHC(山手線くらいの大きさ)では、陽子を高速に
    に加速させて衝突させ、宇宙初期のエネルギー状態を再現し、未知の粒子探しをしている。
    一方、日本の神岡鉱山の地下では、X-MASS観測装置が液体キセノンに暗黒物質が衝突する機会
    を狙って、一日24時間観測を続けている。

   ・そんな中、アメリカのテキサス大のMGライゼン博士がユニークな研究発表をした。(日経サイエンス)
    19世紀に提唱された<マックスウェルの悪魔>と呼ばれる一方向ゲートを作成し、永久機関と見紛う
    技術を開発した。その技術<単一光子冷却>を使って、ガスを圧縮⇒解放を繰り返して、極低温を
    実現させたのです。その到達レベルは、限りなく絶対零度(0K)に近い、0.000015K。

    自然界には、完全に静止したものは、存在しない。
    −273℃の絶対零度という温度は、全ての物質・粒子の動きを完全に静止させる。
    極低温の世界では、奇妙な量子効果が姿を現し、常識を覆す新たな状態が出現する。
    特に、気体になった原子の雲を絶対零度間際まで冷やすと、物質粒子が、波のように振る舞うのが、
    みられる。
    そうです、極低温技術は、巨大な加速器を使わなくても、原子や分子の特性を調べることができるのです。

    自然界の温度は、高温側には、限界がないくらい何億度という高温が存在するのに、低温側は、
    たった−273℃で下げ止まりというのが不思議でならなかった。
    何故−273℃で止まりなのか?

    一方、絶対零度は実現不可能と云われている。
    個人的には、以前から極低温の世界の実現が物質の素を解明するカギとなると思っていただけに、
    限りなく絶対零度に近づくテキサス大の研究は、今最も注目している処です。
















  4、宇宙の形が数学的に証明された。









        
        <幾何化予想の8種類のモデル>






        只今工事中です。






     
        <グレゴリ・ペレリマン博士>  ・・・何故か・・フィールズ賞を辞退してしまった。








  
5、数学が示す新しい世界:

    <ポアンカレ予想>や<幾何化予想>といったトポロジーの世界が、現実の世界の法則を
    衝撃的に表しました。
    そして、今度は、新たに、次の難問の<リーマン予想>が現実世界の存在の根幹を表す
    予兆が出ているそうです。


    リーマン予想とは、何か?
    それは、素数の性質について、述べたものです。
    素数とは、2、3、5、7、11、13、17・・・・・のように1とそれ自身の数字しか割り切れる数字を
    持たない数字のことをいいます。
    素数が何に使われているかと云いますと、巨大な素数を見つけて、機密情報の暗号として利用され
    ているのです。

    そのような素数の不思議な性質について、今から151年前の1859年にドイツのベルンハルト
    ・リーマンによって提唱されました。
    一見無秩序に見える素数の並びに実は、完璧なまでの調和と秩序を持つことが、予想された
    のです。

    素数を扱ったゼータ関数という式があります。
    下に示す式です。



         
\zeta(s) = \prod_{p:\mathrm{prime}} \frac {1}{1-p^{-s}}


    「この関数のゼロ点は、一直線上に並ぶ」

    ということをリーマンが予想したのです。

    この証明に数多の数学者が挑戦し、敗れ去りました。
    ある者は精神を病み、ある者は自殺してしまいました。
    数学の世界には、とんでもない魔物が棲んでいるのです。
    リーマン予想の前には、人生を投げ打って証明を試みた屍体の山が築かれているのです。

    そのような恐ろしい難問に最近になって明るい糸口が見えてきたのです。
    思わぬ所からヒントがみつかったのです。

    ゼータ関数のゼロ点の並びの間隔を示す数式が、実は素粒子物理学の原子核エネルギー
    の並びを示す数式と一致していたのです。

    素数の並びは、ミクロの世界と何等かのつながりがあると予想され、物理学・数学の各分野
    の学者が解析に乗り出したのです。
    非可換幾何学と量子物理学の学者が協力して、解析を進め、その答えは、万物の存在の
    理論・創造主の設計図にたどり着く可能性を秘めていることが分かってきたのです。

    ・・・・素数の謎が解明されたときに、
万物の理論も証明されるかも知れません。








  
6、私たちは、どう生きるべきか?


      壮大な宇宙のスケ−ルを前にすると、言葉が出てこない。

      この広大な宇宙からすると地球の出来事など無いに等しい。

      さらに私たち人類のことなどカスリもしない。

      私たちにとって、どんなに辛く大切な日々の出来事も

      宇宙にとって何の意味も持たない。

      遠い遠い過去のような出来事に過ぎない。

      私たちの存在は、それほどに小さいのだ。

      私たちは、余りに目の前のことばかりに振り回され過ぎている。

      そんな事は、宇宙の前ではもうどうでも良いのです。

      何も重要では、無いのです。

      私たちが、これからしなければならない事、

      それは、

       ・多くの人々が宇宙の実態と地球の生い立ちを学び、

        そして、人類の存在の小ささを認識し、

        大自然への畏敬の念を抱くこと。。

       ・私たちの子孫に快適な地球環境を残していくこと。

       ・優れた精神風土を築き、子孫に引き継ぐこと。

      そして、私たちが、生きている内にしておくこと、

      それは、

       ・生きていたという何かの証しを残すこと。

       ・そして、この世を精一杯に生き、生きている歓びを満喫すること

       ではないでしょうか?



  

    
  Music by Morgan Fisher <Birds Over Buildings>
      
参考文献: NHK 「銀河宇宙オデッセイ」&「宇宙」未知への大紀行
               NHK 「100年の難問は、なぜ解けたのか」
               日経サイエンス-2011年8月号-
       ※ 画像/NASA・・・ の記述のある画像の著作権はNASAに帰属します。