W、来るべき世界/人類の未来





  1、私たちは、今、何故ここにいるのか?

    地球上の生物の中で人類だけが知性を持った理由は何か?
    それは、自らの運命を知ろうとしたためか。
    遠い未来に起きるであろう災難から逃れるべく、手立てを模索するためか?

    私達は、今、何故ここにいるのか?
    人間の寿命をはるかに超えた悠久のときのなかで、
    今ここに生きる意味を見つけようとしたからか?


    生命の誕生と進化が、宇宙の進化と深く結びついている。
    生命の本質を知るために宇宙の進化を知らなくてはならない。
    そして、生命の未来を知るためには、先ず天体や宇宙の運命に
    目を向けなければならない。


  2、地球の運命

    太陽の寿命は、あと50億年ほどある。 しかし、太陽が滅びるまで人類が生き延びて
    いるかどうか定かでない。かって恐竜を滅ぼしたような巨大隕石の来襲があれば、
    今ある文明など一溜りもない。
    隕石は、数千万年に一度の割合で飛来し、衝突を繰返している。
    月や小惑星を見れば分るように宇宙では、日常的に隕石の衝突が繰返されている。
    地球も例外なく、衝突の洗礼を受ける身分なのだ。


            

          <カナダ マニクアガンクレ−タ 直径 70km> 
画像/NASA

    地球は、過去何回にも渡って巨大隕石の来襲を受け、立ち直ってきている。
    実は、私達、人類の文明は滅んでも次の世代の生物が出番を待っているのだ。
    地中深くの中でバクテリアは、地表に出る機会を待っている。

    しかし、もっと怖いのは、地球から300光年以内で起きる超新星爆発である。
    地球の生態系は、壊滅的な打撃を受けることになる。
    高エネルギーの宇宙線がシャワーのように降り注ぎ、生命体の細胞やDNAをズタズタに
    破壊する。



  
3、人類の未来

    はるかかなたの未来に於いて、私達の子孫は、地球が滅びる前に人類の繁栄のために
    地球外へ生存圏を必然的に拡大しているだろう。
    そして、異なった環境へ適用するため、種の分化が起きることになる。
    そうなると、オリジナルの人類はいなくなり、人類を祖先とする複数の宇宙人類へと進化を
    遂げていくことになる。
    SF映画「2001年宇宙の旅」の世界が一層、現実味を帯びてくる。


     
                                                        
画像/NASA

    また、過酷な宇宙環境に適応していくため、自らの遺伝子を操作して、進化を加速する道を
    選んでいるかも知れない。




  
4、遥かな未来への旅立ち


    更に時が進むと、コンピュ−タ−の中に人間が入り、生物と機械の区別がつかない世界

    に踏み込んでいるかも知れない。

    そうなると生物の定義を超えた生命になっていることも考えられる。

    極めて遠い未来、人類は、現在の姿と似ても似つかないものになっているかもしれない。

    私達は、滅びるのでなく、変容し、別の形で存在することになるでしょう。

    未来の子孫をもはや人類と呼ぶことはできなくなっているかもしれない。



          

                                                          画像/NASA


    地球は、その46億年の歴史の中で35億年を掛けて、私たち、知的生命体を育んできた。

    その地球が私たち人類に託した使命とは何か?

    それは、地球そのものの増殖を意図したものかも知れない。

    地球の痕跡を永くこの宇宙に刻むこと。

    遠い未来に於いて、我々の子孫は、間違いなく、宇宙へ船出している。

    母なる地球の遺伝子を持って、この宇宙に拡散して行くことになるでしょう。

    しかし、一方、宇宙は、拡大を続け人類を孤立させようとしている。

    遥か彼方の未来の様子は、もはや想像つかない。 

    子孫に委ねるしかない・・・






 5、生命の進化と人類の在り方


    宇宙は、壮大なドラマを経て恒星を生み、そして、その死の果てに、私たちの惑星・地球を

    誕生させました。

    母なる地球は、更に気の遠くなるような時間を掛け、始祖生物LUCAを誕生させた。

    そして、自分の存在を認識できる知的生命体まで進化させた。

    私たち生命体の誕生と進化は、深く宇宙の進化と結びついていると思います。


    生命の進化とは、外部環境の変化に応じて、広い適応能力を身に付けること。

    そして、生き残りの選択に強いことでもあります。

    こういった広い適応能力を身に就けるため、生命は、知性を身につけました。

    云い方を変えれば、宇宙や地球の環境が、知的生命体を誕生させる必然性を持っていた

    と云えるのではないでしょうか?


    しかし、一方、知的生命体は、道徳的・倫理的であるとは限らないことを歴史が示しています。

    人類は、産業革命以降、次々に発明した技術を使い、それを戦争に使ってきました。

    物理学が目覚ましく発展したとき、最初にしたことは、原子爆弾を作り、我が国土の頭上で

    爆発させました。

    本来、テクノロジーは、人類を幸せにするものでなければなりません。

    しかし、世界の現実は、未だに武力で他国を威嚇し、自国の利益だけを優先させる政治が支配

    しています。

    武力と金がものを云う野蛮な世界が今の現実であります。


    これから人類に求められる姿・有るべき形とは、何か?

    高度に進化した生物として、それに似合った高度に成熟した精神・文化を有する必要があります。





  6、人類を導く物理学


    高潔な精神と文化を育む手立てはあるのでしょうか?

    世界には、生きるために仕方なしに不道徳・非人道的なことが行われるどうしょうもない現実があります。

    このどうしょうもない現実というのは、独裁政治・人種差別・宗教闘争が、人々をして不幸にし、貧困に

    追い込んでいるように思います。

    世界から、貧困を無くし、豊かな文明を築くためには、元凶となっているシステムを

    変えなければなりません。

    しかし、既存のこれらシステムを変えるのは、容易ではありません。

    保守的なシステムに慣れた人々が改革に躊躇するからです。


    システムを平和裡に変えるにはどうしたら良いのでしょう?

    それは、幅広い人々の意識を変えることから始まるのではないでしょうか?

    人々の意識を変える手立ては?

    それは、教育の力ではないでしょうか?


    そして、教育の一環として、

    政治家を始め、あらゆる階層の人々が等しく、物理学を学び、この宇宙の現実を認識できたなら、

    意識は、徐々に変化していくと思います。


    スイスの大型ハドロン衝突型加速器や日本のスーパーカミオカンデの建設費用を見て、大いなる

    無駄使いと批判する向きがいますが、・・・・・実際、こういった設備が金儲けに役に立っている訳では

    ないのですが、宇宙の壮大な進化の過程や地球の見事なまでの循環システムを世界中のあらゆる

    人々が学び、理解することができれば、崇高な精神を人類は、育むことができると考えます。


    巨額な実験装置への投資から得られる結果は、遠からず人類の思想・哲学に影響して、高度に精神を

    成熟させるきっかけになると思います。

    物理学は、人類をして、賢明に生きるよう導く存在となるものだと思います。


    ・・・・そうです。

    物理学は、この世の存在の成り立ちや物質の根源を明らかにして、私たちの考え方まで変えて

     しまう力を持っているのです。


    ・・・そうです。

    神の教えともなり得るのです。






    

      Music by Morgan Fisher <Peace>
      参考文献: NHK「宇宙」未知への大紀行
       ※ 画像/NASA・・・・の記述のある画像の著作権は、NASAに帰属します。